過蓋咬合の歯科矯正治療例
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過蓋咬合(かがいこうごう)の症状について
※矯正治療は自費診療となります。
上下の歯を咬み合わせた際、上顎の前歯が下顎前歯に覆い被さって下の歯が見えない状態を過蓋咬合(かがいこうごう)といいます。咬み合わせが深いことから、ディープバイトやクローズドバイトとも呼ばれています。(※正常な咬み合わせは、上顎の前歯が3分の1から4分の1ほど下顎の前歯を覆っています)
症状としては下顎の歯が上顎の歯茎に当たって損傷したり、下顎の歯がすり減って冷たいものがしみたりする場合があります。さらに、慢性的な咬み合わせの不調(強い食いしばりなど)によって筋肉や顎骨に負担がかかり、顎関節症を引き起こす可能性も高くなります。
過蓋咬合(かがいこうごう)は顎関節症リスクが高い
過蓋咬合(かがいこうごう)は、上顎の前歯が下顎の前歯に覆い被さっており、咀嚼の際に下顎の動きが制限されるため、顎骨や顎関節に大きな負担がかかります。
顎骨・顎関節への慢性的な負担により、お口の開閉時に異音がしたり、痛みが生じたりする「顎関節症」を発症する可能性が高くなります。不正咬合の中でも、特に過蓋咬合は顎関節症のリスクが高いとされていますので、早期の改善をおすすめします。
歯茎の炎症・歯周病の悪化
過蓋咬合(かがいこうごう)は、上顎前歯の歯茎に下顎前歯が接触することで傷つき、炎症が起きやすくなります。
また、下顎前歯の慢性的な刺激によって、上顎前歯の歯茎が下がるため、歯周病症状を悪化させる可能性も高くなります。
つめ物・被せ物への負担が大きくなる
過蓋咬合(かがいこうごう)は、咬み合わせのバランスが悪く、咀嚼の際に一部分に強い力がかかるため、つめ物や被せ物などの技工物への負担が大きくなり、壊れたり、外れたりしやすくなります。
ガミースマイルになりやすい
過蓋咬合(かがいこうごう)は、上の前歯が下の前歯に覆い被さっているため、笑った時に歯茎が見えるガミースマイルになりやすく、機能的な弊害はないものの、審美性の低下からコンプレックスに感じる人も多いです。
ガミースマイルは、歯茎、唇、筋肉などが原因でなることもありますが、歯並びや咬み合わせが原因の場合には、過蓋咬合を治療することで改善されることもございます。
過蓋咬合(かがいこうごう)の原因について
歯・顎骨のバランス(遺伝)
遺伝によって上顎前歯や上顎が長い、または下顎が短すぎることによって、上下の咬み合わせバランスが崩れ、過蓋咬合となる場合があります。
歯科疾患(虫歯・歯周病)や事故など
虫歯や事故で早い時期に乳歯を失い、生え変わりが適切に行われず咬み合わせが深くなったり、虫歯や歯周病で永久歯を失ったりすることで過蓋咬合の症状が進行する場合があります。
咬み合わせの不調(強い食いしばり・歯ぎしり)
強い食いしばりや歯ぎしりによって奥歯がすり減り、奥歯の高さが低すぎることで前歯の咬み合わせが深くなる場合がございます。
過蓋咬合(かがいこうごう)の基本的な治療法
過蓋咬合(かがいこうごう)の基本的な治療法は、上顎前歯を上に上げ、上下の咬み合わせをバランスよく調整することで下顎前歯が見えるようしていきます。奥歯を引っ張りだして前歯部分と奥歯部分の咬み合わせを正常にする方法や歯科矯正用アンカースクリューを用いて上下前歯を歯茎側に引っ込める「圧下」と呼ばれる処置を施して、過蓋咬合の症状を改善します。
骨格的な問題の場合には、外科処置と併用して歯並びを改善する場合もございます。圧下は、矯正治療の中でも難易度が高い方法なため、ゆっくり時間をかけて治療を進めていきます。
過蓋咬合(かがいこうごう)の矯正治療期間について
過蓋咬合は、他の不正咬合の併発や抜歯の有無・圧下などの難易度の高い治療法の使用などによって、治療期間は長くなる傾向があります。個人差はありますが、およそ2年~2年半が目安となります。※矯正治療終了後は、リテーナーを使用して、歯の後戻り防止を行っていきます。
過蓋咬合(深い咬み合わせ)の矯正治療例(Before&After)と解説
過蓋咬合の矯正治療例(10代女性・治療期間2年)
年齢・性別 | 10代女性 |
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治療期間 | 2年 |
抜歯 | なし |
治療費 | 77万円(税別) |
リスク・注意点 | ・歯の移動に伴う鈍痛や歯根吸収が生じる場合がある。 ・歯が綺麗に並んだ後は、保定処置を行わなければ歯が後戻りする場合がある。 |
備考 | 非抜歯矯正 |
10代の女性です。前歯のがたがたと下の前歯が見えないことを気にして来院されました。分析の結果、抜歯をせずに治療をすすめました。部活動が忙しく、来院が不定期になってしまう時期もありましたが、治療後はきれいな歯並び、良好な咬み合わせになりました。自信をもって笑えるようになったと言って頂きました。
矯正治療に伴うリスク・注意点について(※一例)
- 歯の移動に伴う違和感・鈍痛を感じる場合があります。
- 矯正に伴い、多少の歯根吸収が生じる場合があります。
- 取り外しが可能な装置については、決められた装着時間を守らなければ適切な治療結果が得られません。
- 固定式の矯正装置は、歯磨きがしづらくなるため、虫歯や歯周病リスクが高くなる可能性があります。
- 矯正後は歯が後戻りする可能性があるため、保定装置を着用し、歯の後戻りを防止します。など。
矯正治療(成人矯正・小児矯正)の費用について
※治療費は全て税別となります。
名称 | イメージ | 特性 | 料金(税別) |
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初診カウンセリング | ![]() |
口腔内写真を撮影後、矯正治療について詳しくご説明します。 ※レントゲン撮影・シミュレーションが必要な場合には、別途費用がかかります。(各3,000円) |
0円 |
精密検査/診断費 | ![]() |
レントゲンやCT、模型などの資料を取り、診断をして、精密診断の結果を患者さまにお話しするまでにかかる費用です。 |
30,000円 |
小児矯正 | ![]() |
乳歯と永久歯が混在している時期に行う治療です。かみ合わせやあごの形、大きさを整え、永久歯がきちんと生えそろうように誘導する治療です。 | 300,000円 |
マウスピース型矯正装置(インビザラインファースト) | ![]() |
小児の一期矯正に対応するマウスピース型矯正装置(インビザラインファースト)です。透明な取り外し可能なマウスピースを使用して歯科矯正を行います。 | 450,000円 |
歯列矯正用咬合誘導装置(プレオルソ) | ![]() |
弾力のあるマウスピース型の矯正装置です。お口周りの筋機能強化と舌の位置や悪癖を改善し、正常な顎骨の成長を促します。 | 100,000円 |
MFT(口腔筋機能療法) |
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咀嚼、嚥下、呼吸、舌の位置、発音などの正常化を目的としたお口のトレーニングでお口周りの筋機能を鍛えます。 | 【初診】 5,000円 【再診】 3,000円 |
成人矯正(全体矯正) | ![]() |
歯にブラケットを貼り付けて歯を動かす方法です。一般的な大人の成人の矯正治療です。一般的な金属のブラケットと目立ちにくいセラミックのブラケットをご用意しています。 | 【メタル】 600,000円 【セラミック】 700,000円 |
マウスピース型矯正装置(インビザライン) | ![]() |
目立たず、透明に近い、取り外しが可能な新しいアプローチのマウスピース型矯正装置(インビザライン)は、現在、世界100カ国以上の国々で提供され、これまでに600万人以上(※2018年12月時点)を超える患者様が治療を受けられています。 | 900,000円 |
iTero(光学印象) | ![]() |
マウスピース型矯正装置(インビザライン)を作製するための歯型を採取します。 | 3,000円 |
歯科矯正用アンカースクリュー | ![]() |
通常の矯正装置に加え、歯茎部分の骨に埋めた矯正用のインプラントを固定源として歯を動かします。固定源がしっかりしているため、通常よりも大きく歯を動かせます。 | 30,000円 |
部分矯正 | ![]() |
1歯から数歯の前歯の歯並びを整えます。 | 100,000円~400,000円 |
矯正期間中の処置費 | ![]() |
初診相談後の定期観察、矯正装置の調整や検査、指導など行います。 | 2,000円~5,000円 |
保定管理費 | ![]() |
矯正治療後、歯の後戻りを抑えるために保定装置をつけ、経過を観察します。 | 50,000円 |
便宜抜歯 | ![]() |
顎骨のスペースが足りず、適切な歯の移動が困難な場合には抜歯をいたします。 | 5,000円 |
三鷹で過蓋咬合(かがいこうごう)の治療をお考えの方は矯正相談へ
三鷹miki矯正歯科では、矯正歯科治療を専門に行う歯科医師が過蓋咬合(かがいこうごう)の矯正治療を担当いたします。当院では、歯並びについてお悩みの方が安心して矯正治療を開始できるよう、矯正相談やセカンドオピニオンを実施しております。矯正相談では、患者さんに理解を深めていただけるよう口腔内写真・レントゲン写真・歯列の移動を確認できるシミュレーション動画などを用いて、丁寧な治療説明を行っております。東京都三鷹で過蓋咬合(かがいこうごう)の矯正治療をご検討の方はぜひ、三鷹駅すぐの当院までお気軽にご相談ください。